減量手術の効果
減量手術は、肥満症に対して高い体重減少効果が期待できる治療法です。体重の減少だけでなく、肥満に伴う2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群などの改善も期待できます。
特に2型糖尿病に対しては、血糖値の改善や薬剤の減量・中止につながる可能性があり、近年では糖尿病治療としての有効性にも注目が集まっています。
体重減少効果
当院で腹腔鏡下スリーブ・バイパス術を受けられた患者さまのデータでは、手術前の平均体重109.0kgに対し、術後1年時点の平均体重は76.0kgまで減少しました(Yap RV, Seki Y, Kasama K, et al. Obes Surg. 2026)。平均すると約33kgの減量が得られており、高い体重減少効果が確認されています。
また、術後5年時点および術後8〜10年時点においても、平均体重は76〜79kg台を維持しており、減量効果が長期にわたって持続することが示されています。

糖尿病に対する効果
当院で腹腔鏡下スリーブ・バイパス術を受けられた、2型糖尿病を合併した肥満症患者さまのデータでは、血糖コントロールの指標であるHbA1cの平均値が、初診時の8.9%から術後1年には6.0%まで改善しました(Seki Y, Kasama K, et al. Obes Surg. 2017)。この改善効果は術後5年まで安定して維持されています。
さらに、手術前にインスリン治療を受けていた患者さまの割合は48%でしたが、術後1年にはほぼ全員がインスリン治療を必要としなくなりました。術後1年時点での糖尿病寛解率は82.1%に達しており、減量手術が糖尿病の改善に大きく寄与することが示されています(Seki Y, Kasama K, et al. Obes Surg 2016)。
※ 糖尿病の寛解とは、糖尿病に対する薬物治療を行わず、HbA1cが6.5%未満の状態を維持していることを指します。
